失敗しない入れ歯づくり ~自分に合った入れ歯づくりの見つけ方~

歯を失ったら

「この歯はもう使えません。抜いて入れ歯を作りましょう」

先生からのこの一言は大変つらいものですね。
日々の不養生は自分の責任であったとしても、歯を失うということは体の一部を失うことであり、大変つらいことです。
さて、仕方なく歯を抜いていただいたとして、そのあとそこにどうやって歯を入れ、使えるようにするか?
これは厄介な問題でもあります。
歯を失った場合には3種類の治療方法があります。

①失った歯の左右の歯を使って冠でつなぐブリッジ

②残った歯にばねをかけて歯を入れる取り外し式の部分入れ歯

③人工歯根を使って歯を入れるインプラント

それぞれの方法には、それぞれ利点欠点があります
が、でもどの方法を選ぶのかは大変悩ましいものです。
ましてや専門的な知識のない患者さんにとってはなおさらの事、
いったいどうすればよいのでしょう。

入れ歯づくりで成功している人

歯を失っても快適にすごしている方はたくさんおられます。

その方々に共通する点は、歯医者任せにするのではなく、治療前に十分な調査を行い、しっかりと納得して治療を受けていることです。
そのためには、精密な検査を受け、治療方法について歯医者さんとじっくり話をされています。
また、歯を失った原因をしっかりと見極め、その原因から取り組んでいることも特徴です。
いくら新しい歯を入れても、歯を失った原因が残っていればほかの歯がまたやられてしまい、新たな治療を繰り返さなければならないからです。
さらに歯を失ったところへの部分的な治療ではなくお口全体をしっかりと治療しているという点です。
治す歯はお口の中の一部分であっても、歯を使うときは口全体で使いますから、口全体のバランスが取れていないと安定して長持ちする結果が得られないからです。

自分に合った入れ歯の見つけ方

さて、いよいよあなたの歯を作りはじめることになりました。
部分入れ歯を作るための精密検査では、残った歯のむし歯・歯周病・治療の様子・咬みあわせなどの確認から始めなければなりません。
また総入れ歯の方の場合では、うまく使えていない今の入れ歯の問題点を明確にすることが必要です。
100人居れば100通りの配慮がなされなくてはなりませんから、顎の形・骨の量などの評価に加え、歯が揃っていた当時の顔立ちや口元の様子なども参考にしながら、改善すべき点を明確にすることが重要となります。

そのために有効な方法がデンタルドックです。
デンタルドックでは、1時間の時間をかけ、コーンビームCTを含むレントゲン写真撮影により歯や骨の様子を調べます。
さらにお口の中の写真、歯列模型や咬みあわせの精査など、現状を招いた問題点を詳しく診査診断する検査を行います。
引き続きデンタルドックでは、検査結果の報告にも1時間の時間が確保され、ゆっくりと十分な相談をすることができます。
この報告と相談をもとに近隣の先生に治療を依頼することも可能ですが、ご希望の方にはより具体的な治療計画を作るお手伝いも可能です。

このようにデンタルドックを活用することで自分に合った入れ歯とはどんなものなのかをより具体的に知ることができるのです。

ピンピンコロリは噛める口から ~第3の人生を楽しむために~

第3の人生への準備

第1の人生は生まれてから結婚するまで、第2の人生は結婚後子供が自立するまであるいは仕事をリタイアするまで、と言われます。
そして、これらの期間を乗り越え、自分らしい時間を謳歌するのが第3の人生です。
しかし気が付けば、若いころのような体力がなく無理がきかない、新たなことを習得するにも時間がかかってしまう、思うようにてきぱきと動けないなど、いろいろと悩みは尽きません。
今や平均寿命は男性80歳女性86歳、いま元気な60歳以上の方の平均余命は90歳にまで伸びています。ですから人生の終焉が訪れるまでにはまだまだ長い年月があるということです。
この間最後の時間を迎えるまで活躍し続けるのが「歯」です。今回はこの歯のとの関係についてご紹介します。

ピンピンコロリと口の健康

いくら寿命が長くなったからと言って、ただ単に生きているだけというのでは意味がありません。もし寝たきりになったり認知症になれば、本人の意思とは異なり周囲に大きな負担をかけてしまいます。
このため、できれば「ピンピンコロリ」の人生であってほしいと誰もが願っています。
平均余命が90歳を超える時代へと入り、この寿命の中身・質を考えなくてはならない時期となってきました。
そこで注目すべきポイントは「健康余命」という概念です。健康余命とは平均余命から寝たきりや認知症になってからの平均年数(不健康余命)を差し引いた年数を言います。平均余命が健康余命と同じ人、つまり不健康余命の期間がない方がピンピンコロリで人生を終えた方ということになります。この健康余命では、お口の健康と一定の関係があることがわかっています。
右上のグラフをご覧いただければわかりますが、歯がしっかりと残っていてよく噛める人の方が平均余命が長く、不健康余命が短いという結果です。
逆に歯が無くなり、よく噛めない人は、平均余命が短く、また不健康余命が長いという結果となっています。

噛む能力を守る

歯周病や虫歯は病気そのものが科学的に解明され、これらの病気から歯を守ることはさほど困難ではなくなってきました。
しかしながら歯が残っているからよく噛めるということは言えません。

よく噛めるためには残っている歯が口という機能を正しく維持していなければならないからです。しっかりと噛むためには、口という臓器の構成要素である、「顎関節」「筋肉」「上下の歯の接触関係(かみ合わせ)」「歯周組織(歯を支える歯ぐきと骨)」そして「頑丈な歯」のすべてに調和がとれた状態で、健康でなくてはいけません。
そのためには、まずこれらの状態を正しくチェックし、問題がないかを確かめることが必要となるのです。
もし問題が見つかれば、出来るだけ早く問題を解決し、まずは健康な状態に整えることが賢明です。このためには、かかりつけの先生に申し出て、このような要素について総合的な診査をしていただくことが必要です。
もしそのようなかかりつけの先生がいない場合は、デンタルドック(歯の人間ドック)を受診することもよいでしょう。

「ピンピンコロリ」を目指すならば、まずは「お口の健康管理」という認識を持ちましう。そうすれば健康余命が伸び、豊かな第3の人生を楽しんでいただけます。

 

生涯入れ歯にならないために ~歯を失う4つの病気を正しく理解しよう~

歯は悪くならない???

歯は正しく管理すれば悪くなることはありません。それどころか生涯にわたり入れ歯になることはなく、使い続けることができます。
そのためには歯を失わないことが大切であり、歯を失うに至らしめる病気が発生しなければよいのです。

この歯を失うに至らしめる病気は4つしかありません。
ですから、この4つの病気を正しく理解し、しっかりと管理を行うことが大切なのです。

病気① むし歯
歯自体が壊れていく病気を「むし歯」と呼びます。これはお口の中に棲みついている細菌が原因です。この細菌は口の中に入った糖分を原料として乳酸という酸を作ります。この酸が歯を溶かしていく病気の事です。歯のかみ合わせの面の溝や歯と歯の間部分から発生する事が多い病気です。
勝手に治ることはありません。
このむし歯から歯を守る方策は、細菌の量を問題が発生しない量にまで少なくすか、あるいは原料となる糖分の供給を減らすことです。
具体的には、歯磨きをしっかりと行うことと甘い物の食べ方に注意をすることとなります。これ以外では歯自体のむし歯に対する抵抗力を高めるために、フッ素を積極的に応用する方法も有ります。
あなたに合った予防の方法は歯科医院で指導してもらうことができます。

病気② 歯周病
歯を支える歯ぐきと骨が壊れる病気を「歯周病」と呼びます。口の中に棲みついている細菌が原因ですが、むし歯の原因菌とは異なります。
この細菌は歯と歯ぐきの境目の歯ぐきの溝の中に棲みつき、慢性的に炎症を起こさせ、この炎症により歯ぐきと骨が壊れます。
むし歯同様に勝手に治ることはなく、この細菌を除去することが病気の予防の基本となります。歯ぐきの溝の深さが3㎜程度までならば、自分自身の管理によりこの細菌を確実に除去することが可能ですが、4㎜を超える歯ぐきの溝の深さがある時は、専門家の手助けが必要となります。

病気③ 良くない治療
むし歯や歯周病に侵された所は自然に治ることがないため、何らかの治療により問題解決を行います。
しかしこの治療が正しく行われていない場合、その治療が原因となり新たな虫歯や歯周病を引き起こしたり、本来使える歯の寿命を短くしたりします。これが「良くない治療で、歯を失う病気の一つと考えることができます。
具体的には、適合の精度が低い治療物や不完全な歯の根の治療などです。治療における重要なポイントは、精度が高く、口全体としてバランス良く治療がなされていることです。
このためには、治療に用いる材料に良い材質を選ぶこと、そして治療後には処置状態の確認をすることが効果的です。

病気④ かみ合わせ
上下の歯の接触の仕方が悪く、歯に無理な力が加わって歯が壊れるのが「かみ合わせ」の病気です。
口という臓器はあごの関節、あごを動かす筋肉、そして上下の歯によって構成される臓器です。この臓器は非常に敏感で30ミクロン(1㎜の1000分の30)の厚みでも敏感に感じる事が出来ます。
このため正しい位置で上下の歯が接触しない場合や、円滑な下あごの動きを妨げるようなすり合わせの状態が歯のかみ合わせ面にあると、歯に無理な力が加わり、歯が欠けたり、グラグラになったり、肩こりや顎関節の痛みなどを引き起こしたりします。
歯科医師が適切なかみ合わせの調整を行うことによりこの病気から歯を守ることができます。

病気を正しく確認すること

歯を失わないためには、これら4つの病気が発生していないかどうかを正しく確認することが不可欠です。
ですから治療に先駆け精密な検査を行い、この様子を見極め、効率的・効果的に対処してもらう事が必要となるのです。
自分のお口の様子を正しく確認されたい方にはデンタルドックが有効です。

セカンドオピニオンのすすめ ~治療に安心・納得できていますか?~

募る不安

虫歯・歯周病やかみ合わせの問題、病気の名前は知っていても詳しい内容と
なるとわかりません。

さらにその治療法となると詳しいことはわからず、主治医の先生のご指導の下、
その治療を了解して受けるしかありませんでした。

治療が終わっても違和感が残ったり、痛みが消えなかったりと

本当にこれで大丈夫なの? 

治っているの?

こんな不安をお持ちの方が多いのが実情です。
しかし、さらに相談するすべもなく、主治医の先生のアドバイスを頼りに我慢の日々が続いています。

こんな時どうしたらよいのでしょうか?

 

歯を失う4つの病気

口の中にはいろんな病気が起こります。当然癌だって発生します。
しかし生きている間ずっと使い続ける自分の歯を失わないためには、歯を失う病気から歯を守ることがポイントとなります。

この歯を失う病気には4つの種類があり、それが単独あるいは複数で絡み合いながら
発生しています。
4つの病気とは、

①歯自体が壊れる虫歯

②歯を支える歯茎と骨が壊れる歯周病

③規定通りに正しく治療ができていない不良な治療

④上下の歯が正しい位置でかみ合っていなかったりスムーズに働けな
いために歯が壊れるかみ合わせの病気

です。
これらの病気を正しく確認し、絡み合った紐をほどくようにすべての病気に対し
取り組まなくては、病気による症状は改善せず、一生歯を使うことはできません。

歯を失う4つの病気

歯科医師が違うとこれらの4つの病気の診断とその治療方法は変わります。
これは歯科医師という立場が互いに独立しており、それぞれが自由な裁量権をもつことが法律により定められていることに由来します。
ですから、

A先生は「この歯はだめなので抜くしかない」
と診断し治療計画を決めたとしても、

B先生では「いろんな治療方法を組み合わせ、歯を抜かずに治療する」
という診断と治療計画を提示されることになるのです。

これはどちらかが正しいのではなく、どちらも正しいわけで、それぞれの診断と
治療計画ではそれぞれに利点と欠点があることを理解しなくてはなりません。

患者さんはこれらの複数の診断と治療計画を比較検討し、そのうえで自分に
合った方法を選択しなくてはならないのです。

セカンドオピニオンのすすめ

このように複数の意見を比較検討し自分に合った方針を決定するために行う手順を
セカンドオピニオンと呼びます。

患者さんが治療方法を選択するには納得できるまで主治医と相談して決めることが重要です。
しかし一人の先生の診断に頼っては、ほかの治療方法を選択するチャンスが失われてしまうのです。

このため自分の意に反した方法を了承し、不安を残しながら治療を決めなくてはな
らなくなってしまいます。

ですから別の歯科医師の意見を聞いてみて、自分に合った治療方法や納得できない
診断や治療結果に対し、比較検討するわけです。

セカンドオピニオンを受けたからと言って主治医に責められることはありません。
むしろ主治医は積極的にセカンドオピニオンを受けようとする患者さんを応援する
ことが義務付けられています。

たとえば、相談できる専門医を紹介したり、
そのために主治医の先生の持っている診断資料を貸し出したりもします。

デンタルドックを活用しよう

セカンドオピニオンを求める歯科医師が見つからないとき役立つのが
デンタルドックです。
お口の人間ドックであるデンタルドックでは、口の中の詳しい様子を知る
ことができます。

あなたの歯を守るためにデンタルドックを活用してみてはいかがでしょうか?